横須賀輝尚ノウハウ集

クライアント情報の事前把握よりも大切なこと

基本的に、情報はあればあるほど良いものです。企業規模とか、売り上げ、従業員数、これまでの実績のほかに、社歴や、売っている商品、提供しているサービス、それから利益率などもそうです。

私は会計系のコンサルではないので、利益率などは見ませんが、もちろん情報は多いほうが、いろいろなことを把握しやすいものです。企業や士業を相手にして、社長や所長といった、いわゆるトップと呼ばれる人をコンサルティングする場合に限定して話をしますが、「その人がどこを目指しているのか」、というところが大事です。

情報はクライアントの目的を探るための補完材料

ただ、これはあくまで私がやっているコンサルティングに関してですが、私はその人の「性格」をよく見ています。性格と志向性というところを見ていくと、あとは「なぜこのタイミングでこういう風に相談しに来ているのか?」

「なぜ今ここにいて、このようなことを言っているのか?」そして「最終着地点をどうしたいのか?」というところに繋がっていきます。これも情報といえばそうなんですが、相談に来ているのは「人」なので、その人が納得したり満足したりすることが非常に大事です。

たとえば、分析型のコンサルティングだったら、決算書を見て「この部分を改善して、こういうふうにしたほうがいいんじゃないですか」というようなアドバイスができます。しかし、その会社のことは社長の方がよくわかっている。それでも相談に来るということは、何か意味、というか、何か目的があって来ているわけです。

だから、その目的を探ることが大事です。そして、それを補完する意味でいろんな情報があるといい。「社長は2年目のときにこういう失敗をしてるんだな、だから今新しいことを止めようとしてるのかな」「でも社長は本当はやりたいと思っていて、その後押しが欲しいのかな」とか。

このように考えていくことが大事だと思っています。もちろん把握しておく情報が多ければ多いほどよいですが、情報のみでアドバイスできるわけではない。そう思ったら大間違いです。

結局は、会って話をして「最終着地点は何を求めているのかな」「どういうふうに考えているのかな」「何を言われたいのかな」「どんなフィードバックをされたいのかな」というところを察知していくことが大事で、そこを補完する意味合いとして情報を持っていたほうが、自分が社長の理解に到達するまでより早くなると考えています。

情報があれば仮説を立てられる

情報があれば仮説を立てられます。たとえば開業10年以上で従業員数が5人、6人、売上が五千万位という士業の方から相談があったりすると、相談内容はおそらく事務所のマンネリ化や社員との関係性など、今後の方向性に関してだろうな、という仮説を立てられます。

まれに「とても順調に伸びているからもっと伸ばしたいんですけど」という相談もありますが、うまく行っているときにわざわざ相談に来ることはそうないです。そうすると、おそらく少し止まっている段階なんだろうなと。だったら、今求めているのは何かなと。

大体そういう場合には、コンサルティングは今後のゴールというか、今後何をしたらいいかというところを一緒に見つける旅になります。過去に、二代目の税理士さんから相談があったことがありました。事務所は非常に順調で、仕事も取れているし先代の父親との関係も非常に良好。

しかし、「流れで税理士の資格を取って父親の後を継ぐことになって、父親も喜んでくれていますし、父が引退したあとは自分が社長になるわけですが…」と。そこで、「○○さん、税理士というお仕事は好きですか」と聞いてみたわけです。

ポイントは彼が「流れで税理士になってしまった」と言っているところ。こういうところを察知していきます。流れでなってしまったと言っているということは、自分の意思じゃないのかも、ということは、税理士として順調とはいえ、これでいいのかなという葛藤があるのではないか。

さらに聞いていくと、「経営に携わって支援する税理士という仕事はいいと思っているんですが、実はそんなに数字を触るようなことが好きではないんです」と。そこで、「だったら、その数字に関わる税務部門のようなところは、誰か管理者を立てませんか。」と提案する。

その方は、営業のほかに、経営計画や販促、マーケティングが好きだということだったので、「事務所のその部分をご自身が担って、それを教えるコンサルタントを目指したらいいんじゃないですか」というふうに繋げました。

こういうふうに、相手の状況や心情を察知していってゴールを見つけるというのが、コンサルタントの一つの作業です。情報は材料としてはあったほうが当然いいですが、やはりそれだけでは判断できません。

その人がどこに行きたいのか、というところを一緒に考えながら察知していくということの方が、情報を事前に把握することよりもウェイトが大きいと考えています。

横須賀輝尚

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DATA:

32歳(男性)
東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務

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