ビジネスの原理原則で言えば、ターゲットも商品も絞りに絞った方が、当然ピンポイントの人が反応できます。『ターゲットは絞った方がいい』とランチェスター戦略などでも言われていますが、士業の場合はここから少し考えていく必要があります。
あまりに絞りすぎるとターゲットが存在しなくなる
ターゲットをあまりに絞ってしまうと、その人が存在しないという可能性があります。例えば『相続人が5人以上いる場合の相続専門事務所」といっても、相続人が5人以上いるケースはそんなに多くはないでしょう。
士業の仕事はそもそもニーズ商売なので、マーケット的に限られたものである可能性があります。そこで、あまりに絞ってしまうと今度は同地域でそこまで案件が発生しないので、商圏を広く取らなければならなくなるということもあります。
本当は絞りに絞った方がビジネス的にはいいのですが、士業の場合はこのように、絞りすぎると仕事がなくなる可能性があります。
属性で絞る・業種で絞る
ただ、属性で絞るのはアリです。例えば「新設法人専門」など。こうすれば、初めて法人を設立する人がターゲットになってきます。この場合は絞っているけれど属性にしか絞りをかけていない、いわば人を絞る方法ではないわけです。
「10人未満の会社の社労士」など、このような属性の切り方がいいでしょう。このとき、ある程度のマーケットの数が見込めないところまで絞っていないか注意が必要です。
さらにポイントは、属性で絞って『お客さんの声』で例をたくさん載せるということ。例えば新設法人専門の税理士ということであれば、IT企業もあれば飲食店もある、というように。そうすると広くターゲットに取り込めます。
また、「飲食店専門」など、業種で絞るというのも一つの方法です。それでも結果は出ますので、自分がどうしたいかが大事です。ターゲットを絞ると絞った周りの人も反応するので、ターゲットを絞ること自体は非常に有効です。例えば「20代の開業支援」と絞ると、30代はダメですか?という問い合わせが来たりもします。
サイトが並行してあるということでお客さんが「大丈夫かな?」と感じるという点はありますが、業種や業態特化でいくつも業務特化していくというやり方は悪くないやり方です。ただここでも、基本的に士業のターゲッティングで重要なのは「絞り過ぎない」ということです。
横須賀輝尚
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DATA:
32歳(男性)東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務