「自分と実力が近い人材を育成することは可能か」というのは昔からある話ですが、これはコンサルタントの一つの命題でもあります。今私が思うのは、コンサルタントの人材育成はできるということです。ただ、人はそれぞれカラーがあるので、自分と同じコンサルタントを育てるのは無理です。
結局、「右腕」といって何を一つの基準にするかというと、そこはまず実力です。コンサルタントのスキル的なところは全然問題なく育てられますが、そのためにはまずコンサルティングの幅を狭めて伸ばすことが大事です。
本人がやりたいことだからこそ成長する
いきなり幅広く全部のことができるコンサルタンに育てるのは難しいので、まずは一つの領域を極めることが大事です。それから、特にコンサルタントの場合は本人がやりたいと思っていなければ絶対に伸びません。
コンサルタントだけではなくて、デザイナーなんかもそうですが、やりたいという気持ちがあるから頑張りますし、だから成長できます。上からやれと言われてやっていても、やはり伸びません。
範囲を狭めること、それからやりたいことを会社の中で追求してあげるということ。そしてコンサルティングの現場を上が作ってあげること。この3つが必要になります。そうすれば、コンサルタントは育てることができると考えています。
譲れない価値観を共有できることが大切
トップコンサルタントのコピーはできませんが、同じような価値観や考え方、哲学、理念については、コミュニケーションをとればある程度は共有できます。逆にいうと、個性は生かした方がいいところです。
円で例えるなら、重なる部分もあるし重ならない部分もあっていい。ただ、その中でも大事な部分は絶対に重なっているべきです。それは、クライアントに対する姿勢や仕事の取り組みなんかがそうです。
例えば、仕事の価値観として、私は「納期遵守」をすごく大事にしています。私で一番わかりやすい例は出版です。締め切りは絶対にどんなことがあっても守るというのは、私の中の価値観としてあります。
クライアントへのレポート納期などの大事な納期に遅れて「間に合わなかった」で済ます社員とは、私は一緒に仕事をやれないと思います。その譲れない価値観を共有できることは大切ですし、そのためには対話が必要です。
結論としては、コンサルタントを育てることはできる。ただそのためには、本人がやりたいと思っていること、まずは狭い範囲で一つの領域を極めるところから始めることが重要です。
完全に能力をコピーすることはできませんし、そこはむしろ個性を出した方が良いところでもありますが、譲れない価値観は絶対に共有するという姿勢も重要だと考えています。
横須賀耀尚
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DATA:
32歳(男性)東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務