顧問型のコンサルティング契約で、収入を伸ばしていきたいと考えているコンサルタントは多数いると思います。いわゆる従来型であり、ある意味では古いやり方になりますが、劣化した方法ではありません。ただ、何も考えていない「月5万円、月1回訪問、電話メール相談可能」のようなパッケージに何も考えずに申し込んでもらえるほど、世の中甘いものでもないわけです。
それでも、少しずつ営業を覚え、提案し、金額を上げれば1000万円以上見込めるのではないかと努力を続けます。年収1000万円。月額10万円の顧問が9社あれば成立します。これを目標に営業を続ける人もいるでしょう。しかしながら、ここに幻想とでもいうべき事実があります。それは、顧問契約は永続しないということです。つまり、単なる足し算と掛け算で成立するものではなく、顧問契約は解約されるもの、と考えておかなければならないということです。もちろん、顧問型だけでなく会員制コンサルティング等も同じで延々と増えていくわけではありません。
特に、販促・IT系がもっとも寿命が短い。もちろん、本当に実力があるコンサルタントであれば別ですが、ツールに飛びついた売上げアップ系のコンサルタントの契約寿命は本当に短い。Instagramのコンサルタント?本当にそこから売上を伸ばし続けることが可能であれば、できるのかもしれませんが、3ヶ月も持てば良い方でしょう。販促系のコンサルタントは、「売上目標が達成する」「売上目標が達成できない」どちらの場合にも、契約が打ち切られる可能性があるわけです。ですから、顧問は増やし続けなければなりません。
一方で、意外と寿命が長いのが組織系のコンサルタント。理由は簡単で、人の問題は延々と生まれ続けるからです。もちろん一流の組織コンサルタントであれば、問題をゼロにすることができるのかもしれませんが、すべての問題をゼロにするのは至難の業。人はコントロールできないのです。ですから、組織コンサルティングをするコンサルタントは、意外と1社の寿命が長い傾向にあります。
いずれにせよ、どの講座やノウハウも「仕事を取る」「契約を取る」ことを主眼に行われていることが多く、すべての契約数・会員数は減少をしない前提で考えられていることがほとんどです。しかしながら、それは幻想で実際のところは減少するクライアントのために、より一層クライアント数を増やすか、契約を維持できるだけの実力と魅力を持っていなければ、コンサルタントとしての成功は、やはり幻想でしかないのです。
(執筆:横須賀輝尚)
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DATA:
32歳(男性)東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務