まず、全てにおいて言えること
全てのコンサルティングの共通点として、今日のクライアントは何を求めているか、どこを落としどころにして今日臨んでいるのか、目標点はなにか、ゴールは何か、といったように、まずは「今日のゴール地点はどこか」を考えることが大事です。
対面コンサルティングの注意点
対面コンサルティングは相手が見えるので、表情やしぐさなどから相手の「ほんとうのところ」を探っていくことも大事です。また、情報量が一番多いので、ある程度話が冗長になったり会話が長くなってしまったりしても、全然問題はないと思います。
対面コンサルティングに特有の注意点ですが、対面コンサルティングはリアルタイムです。「先生、これについて教えてください」と言われたとき「どうしよう、わからない」というような状況も生まれる可能性がある。
メールやチャットのコンサルティングでは、回答までの時間はコンサルタントがある程度左右できるので、このようなことはありません。ですから、対面コンサルティングでは、何に答えられて何に答えられないのかということや、相談事に対する対処法をしっかり身につけてないとあたふたすることになります。
ですから「自分は今日の目的をここに置きます」ということを言っておかないと、いろいろなことを聞かれてしまうわけです。この辺は質疑応答に通じるところもありますが、対面だといろんな相談を持ちかけられるので、いろんな角度から回答せざるをえなくなってしまう、というのが特有のところです。
ですから、自分の経験や知識を増やしていくしかない。ただコンサルティングの基本は、知識を教えるというよりは、相手が行きたいところに辿り着くためのお手伝いをするものだと思います。
対面コンサルティングで一番困る質問
「○○について知っていますか」というのが、一番困る質問です。例えば「今一番優れているインターネット上の集客ツールを教えてください」と言われても、知らないこともある。コンサルタントといっても全てを把握しているわけではないので、そういう時は「その質問の意図は何ですか」と聞きます。
大体そういうときは、「もしご存知ならと思って」というようなものが多いです。ちなみに過去に、セミナーである新しい法律について「どうお考えですか」と聞かれたことがありました。その法律があるのは知っていましたが、中身の詳しいことは知らない。
相手がふっかけてきたのかなとも思ったので、「すみません、私はその法律の中身についてあまり知らないので、それについて教えてもらえませんか?教えていただけたら私の意見が言えます」と答えました。そうすると「私も知りません」と言われて、そこで話が終わってしまったということもありました。
メールによるコンサルティングの注意点
つぎに、チャットやメールによるコンサルティングです。基本的には、もはやメールはあまり優れたツールではないと思っていますが、メールに関しては、相手の相談を引用しながらそれについて回答を書いていくというのが基本です。
回答を書きながら、気になったところは必ず質問で返す。メールやチャットというのは、ある程度の数をやりとりしないと解決しないものです。長いものをやり取りするよりは、短いものをやりとりした方が結果が出やすいですし、返信もしやすいですね。
天才塾は昔はメール相談でしたが、セミナーなどでもよく、「短く送ってください」と話していました。「例えば一度の長文で10個質問を送っていただいてもいいですが、返答に時間がかかります」と。だったら一個ずつ送っていただいたほうが早いですよ、ということを伝えていました。これは私の利便性でもありますし、お客さまの利便性でもあります。返信が早く返ってきた方がいいでしょうという。
チャットによるコンサルティングの注意点
今は天才塾もチャットによるコンサルティングになっていますし、チャットのようなツールが全盛なのでお話ししておきますが、チャットに関していえば、とにかく「質問で返す」ということですね。これは情報量が少ないからです。
チャットで大量に書いてくれる人もいます。しかし、特にメールのように「お世話になっております、社労士の○○と申します〜」というような挨拶文のようなものがないので、多くの人が割とライトに聞いてこられます。
例えば、「最近FAXDMどうですか」みたいな。チャットだとこういう質問も多いです。そこで「最近FAXDMはこうなっておりまして、反応率はどうで値段はこうなってまして…」みたいなことを書いて回答しているとキリがない。
そこで、「最近FAXDMどうですか」と質問されたら、「FAXDMを出すんですか」と返す。それで「出そうかなと思っていて」と返ってきたら「どんなFAXですか」と。それがセミナーだったとき、「セミナーで誰に対してどういう集客をされるんですか」とさらに尋ねると「まだ決まってません」と返ってくる。そこで、「じゃあ、先に決まってからにしましょうか」と返したり。
ライトである分こういった質問がたくさん来るので、このように質問で返していかないとキリがないです。これは、回答を放棄するという意味ではなく、回答をよりよくするため。あるいは、回答が本当に必要なのかを判断するためです。
このように、質問で返すということが非常に大事です。質問によって精査されていきますので、チャットのコンサルティングでは、とにかく質問で返して核心をしっかりついていくということをやるのがいいのかなと思います。
横須賀輝尚
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DATA:
32歳(男性)東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務