どういう時にクライアントの信頼を失うんでしょうか。自分がコンサルタントにコンサルティングを依頼したとき、どんな時に信頼を失うだろうかと考えると、答えを思いつきやすいかもしれません。
一貫性がない発言や言動は信頼を失墜させる
よくあるのが「一貫性がない発言、言動」。こういうものは信頼を失います。例えば、最初に相談した時には「これからはインターネットマーケティングの時代だ」と言っていたのにもかかわらず、半年後には「ネットはダメだ」というようなことを言い始めた、というケース。
また、「これから海外展開しようと思うんです」という相談をした時に「海外は大手が入ってるからもうダメだよ」と言っていた。しかし、1年後ぐらいには「これから中小企業も海外の時代だ」と言い出すようなケースです。
一貫性がないと信頼を失うということはコンサルタントだけではなくて全てのことに当てはまりますが、特にコンサルタントは人というのが商品なので、一貫性がない言動というのは信頼失意の原因になりやすいです。
これに関しては私も一応気にしていて、一貫性というものを非常に大事にしています。私は士業のマーケティングということをお伝えしてきましたが、「実務の勉強に意味がない」とは一度も言ったことはありません。実務の勉強なんかするよりもマーケティングだ、とは言ったことがないんです。そんなことは思ってもいないというのもあります。
そもそも「実務は自分で勉強してレベルを上げるというのが大前提です」ということは言ってきましたが、例えば、天才塾が「マーケティングが大事です」「実務の勉強なんかしてる場合じゃありませんよ」と言った上でマーケティングをお伝えしていたのに、今高難度業務研究会などをしているのは、これは「言ってることが違うじゃないか」という話になってしまいます。
大義名分があるかどうか
大事なのは、一貫性と、それから大義名分です。「何のためにコンサルタントをやっているのか」というのがはっきりしないと、コンサルタントというのは難しい。これは、商品の性質として難しいということです。例えば、天才塾は「士業の業界を盛り上げたい」とか「士業を人気業界にしたい」といったような、一応そういった大義名分があり、本当にそう思って10年間やってきました。
しかし、「どうしてコンサルタントをやるのか」という時に、「何か利益率が高いから」とかそういことだと、やっぱり信頼を失うわけです。コンサルって仕入れもないし儲かるよね、みたいなものが根底にあるとやっぱり嫌です。一貫性や大義名分がしっかりしているかというところが、信頼を失わないためには非常に大事なことだと考えています。
知ったかぶりは信頼を失う
細かいことかもしれませんが、信頼を失ってしまう瞬間として「知ったかぶり」もあります。自信がある人ほど弱点を公開している。全てを知っているコンサルタントなんて、やっぱりいません。
名前を出せば誰もが知ってるコンサルタントでも、例えばインターネットマーケティングには全然精通していないなんていう人もいます。全部が全部わかりますということをあえて言う必要もないし、得意不得意はある。言葉にしてしまうと非常にチープですが、知ったかぶりというのはやっぱり良くない。
違うところで話を聞いたときに、「実はあの人、知ったかぶりで何も知らなかった」と言われた時に大きく信頼を失います。いろんな側面があると思いますが、一貫性ということはとても重要です。
コンサルタント自身が成長していく姿を見せていく
それから、長期的に考えた場合について。前にも書きましたが、コンサルタントというのはコンサルタントを始めてから5年くらいまでが一番いいわけです。世の中に対して新鮮であって、新しいメソッドであると。何を出してもこの人は新しい、効果的だと言われる。
でも5年くらいから、似たようなものって飽きてくるんです。私はよく『コンサルタント10年説』ということを言っていますが、10年で全て市場から飽きられてしまう。つまり、コンサルタント自身が成長する姿を見せていくというのも、信頼を得られるためには非常に大事なところだと考えています。
横須賀輝尚
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DATA:
32歳(男性)東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務