コンサルタントとして、文章力は非常に重要です。セミナーを開催したり人から紹介されたりして商談につながり、そこからコンサルタント契約を取るというように、文章をあまり使わなくても契約できたり、売り上げを上げられたりする人もいます。
コンサルタントは、知識や経験という無形物で商売をするわけですが、多くの人は最初の頃はブログを書き、自分でホームページを作ってセールスレターや小冊子を書き、メールマガジンを書き、ということを通じてお客さんを得ていきます。
大前提として、コンサルタントの自己表現や商売になるところ、お客さんとの接点を作るものなど、これらの9割以上は文章です。さらには、文章レベルが高くないことが、知的レベルが高くないというふうに見えてしまうところもあります。
文章のレベルが低いと、コンサルティングのレベルも低いと思われてしまいかねません。ですから、文章が上手くなるというのは非常に重要なことです。
なぜ文章が書けないのか
私は士業向けの会員制コンサルティングサービスの中で数多くの文章を見てきましたが、文章が書けない人は圧倒的に多いです。
なぜ文章が書けないのかというと、まずは、母国語だから。母国語を改めて勉強する人はあまりいません。国語の勉強をするのはせいぜい小学校や中学校で、高校や大学で勉強する人なんて1割くらいです。
そのあと社会人になったときに、入社1社目の会社が文章に関して厳しかったかどうかもポイントです。最初に入社した会社が文章について厳しかった場合、文章力は上がりやすくなりますが、厳しくなければ「こういうものでいいんだ」と思ってしまう。
ここが厳しくなかった場合、文章力は育ちにくいんです。そうして、大人になって文章をちゃんと学ぶ機会がないという状態になります。
文章を上達させるために、基本のルールを覚えることが大事
厳密に文法を覚え直す必要はなくても、基本となるルールを覚えておくことは大事です。例えば「、」を打つ場所について何通り知っていますか?「、」は意味が変わる時や長い主語の後に打つなど、使い方にはルールが決まっています。
しかし、ルールがわからないまま適当に使ってしまうと、「私は、■■に行って、〇〇さんと会って、」というように「、」が多い文章になってしまいます。「、」が多すぎる文章はわかりにくいものです。こういった基本的なことを覚えることが大事です。
良書を読んで自分で書くことで、文章力は磨かれる
文章力を磨くためには、とにかく良書を読んで自分で書くことも大事です。近道は基本的にありませんが、ただ一つ近道と言えるのは、自分が心を動かされた本やその箇所について、「なぜ心を動かされたのか」を徹底的に考えることです。
「こういうことを言われたから」とか「こんなフレーズがあったから」とか、ちょうど悩んでいるタイミングだったから、ということなどもあるかもしれません。しかし、コンサルタントとして重要なのは、綺麗な文章や美しい表現ではなく、わかりやすさと、何より読み手の心を動かすということです。
ですから、下手でも読み手の心が動けば基本的にはOKです。そのためにも、「自分がなぜ感動したのか」というところを考えることで、文章力が磨かれると思います。
こういうふうに「たくさん読んでたくさん書く」というのは基本ですが、やみくもに文章としてあまり優れていない本を読んだり、何も考えずにただ文章を書いたりするというのは、単なる書き取りと一緒なのであまり意味がありません。全てに目的意識を持ってやることが、非常に重要です。
横須賀輝尚
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DATA:
32歳(男性)東京都出身/現在の仕事はウェブデザイナー/
22歳から26歳までビジネス什器の営業を担当/
26歳から31歳までIT系企業でウェブ制作を担当/
32歳で独立開業
メイン商材:ウェブ制作、バナー等デザイン業務